スピノザ⁠⁠読書会

私たちの最も遠くにいながら、最も近くにもいるような気にさせてくれる不思議な存在である十七世紀オランダの哲学者。毎週木曜の18-20時に開かれる本会では、基本的には、スピノザの残した痕跡(テクスト)を辿っていきます。時折、会のなかで議論されたトピックに関連した哲学史への寄り道もします。ガイドを務めてくれているのは、佐々木晃也さんです。

これまで読んだもの

L'anthropologie spinoziste?

フランス・スピノザ研究の大家であるアレクサンドル・マトゥロンの論文。人間の定義、言い換えれば、人類の種的本質を他の生き物の種的本質から排他的に規定することが、スピノザのうちで、そもそも可能なのかどうかが検討されました。

国家論

スピノザの最晩年の未完の著作。他者の権利-法のもとにありながら、自己の権利-法のもとにもあることはできるのだろうか。「力の存在論」と呼ばれるスピノザの思想を、その政治学的諸帰結とともに見ていきました。

神学政治論

平易な文体でありながら、気づくと我々の実存を抉られるような一級の批判=批評(critique)の書物。同時にまた「宗教」という営みないし主題への抵抗感をなくしてくれる書物。『国家論』との違いにも注目しながら読んでいきました。

啓蒙とは何か

「啓蒙とは、人間が自ら招いた未成年状態から抜け出すことである」という一文から始まるカントの小論。理性の使用を、私的/公的を区別しながら、要求するという点に『神学政治論』の問題意識が哲学史のなかで別の仕方で続いていることを見ました。

自己と他者の統治

フーコーは、カントの「啓蒙とは何か」をどのように読んだのか。一級の哲学者のテクスト解釈の身振りも学びつつ、ここでの議論で「服従≒隷属の問い」に迫れたことを、スピノザの『エチカ』に分け入っていくための一つの補助線としました。

エチカ』第4部

(現在、読んでいます)

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