現代的で、学術的に

毎週金曜早朝(日本時間7時)に開かれる読書会。「共通のテーマがある」というよりは、いまいまのホットなテーマやトピックを扱った本を取り上げ、メンバー各人の経験を織り交ぜながら、ときには読むだけでなく「書く」演習も挟みながら、ゆっくりと読み進めます。ガイド役は、本によって変わります。

これまで読んだもの

自然の哲学史

自然/人間というありふれた図式。しかし人間は、また人間の技術的操作によって生み出された人工物は、自然の一部ではないのか。「自然」というテーマの下で、プラトンからドゥルーズまでの哲学史全般にも触れることのできる米虫正己の単著。

どこでもないところからの眺め

主観性と客観性という近代哲学の中心概念を問い直す、トマス・ネーゲルの話題作。現代の分析哲学の系譜に属すると同時に、近代哲学の源泉を探りなおすという本書の独特な態度を味わいつつ、大きくは分析哲学というテーマに触れていきました。

Temporality and Truth

時間と真理の関係を扱ったダニエル・W・スミスのドゥルーズ論。ときには無際限に伸びる直線的なものとして、ときには季節のような円環的なものとして、イメージされる時間とは何か。そしてそうした時間を生きる我々にとって真理とは何か。

基礎づけるとは何か

若き哲学教師ジル・ドゥルーズが「基礎づける」という営みとしての哲学の歴史を駆け抜ける、実際にフランスの高校で行われた講義録。「問題は、ある特定の時点で、量的に連続するものが新たな質へと変容するのはなぜか、ということだ」。

伴侶種宣言

『サイボーグ・フェミニズム』や『子孫ではなく類縁関係を作ること』で知られる思想家ダナ・ハラウェイの著書。「人間」と人間に馴染み深くも種が異なる「犬」との関係を通じて、「重要な他者」との関係を問い直しました。

イシスのヴェール

ヘラクレイトスの有名な箴言「自然は隠れることを好む」の意味を、その古代ギリシャ語における意味の豊かさとともに問い直しながら、ハイデガーに至るまでの「自然」概念の変化を辿り直すピエール・アドの大著。

認識的不正義

黒人をみると怖いと思い、無自覚に避ける。みるからに欧米人といった人が座る席の隣には、日本人はだれも座らない…ミランダ・フリッカーとともに、このような偏見やバイアスによって行われる判断について認識論的かつ倫理学的な観点から探ります。

論理的思考とは何か』(読書中)

四つの文化圏(アメリカ、フランス、イラン、日本)の作文教育を分析することで、各文化圏において「論理的」とみなされる型が異なることを浮き彫りにする刺激的な著書。その上で著者渡邉雅子が提案するのは「多元的思考」である。

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Spinoza Philosophy